コラムColumn

25坪は、30坪を超えられる

2026.07.17

シンプルな暮らし

住まいの価値は、坪数では決まりません。30坪より25坪が、広く感じる家もあます。違いをつくるのは、面積ではなく設計です。30坪と25坪。その差は、約10畳。各階で分ければ、5畳ずつ。数字を見れば、大きな差です。けれど、その10畳は、暮らしを削った結果ではありません。

・長い廊下をなくす。
・個室を必要な大きさに整える。
・リビングとダイニングを、動線に合わせて組み立てる。
・収納のあり方を考える。

こうして無駄を省いた一畳一畳が、約10畳の差を埋めていきます。そこに、暮らしの質を下げる発想はありません。空間には、それぞれ役割があります。

一方で、役割が明確な空間は、小さくても十分な働きをしてくれます。だからこそ、small styleは役割を設計します。必要な場所には広さを与え、役割を終えた余白には、新しい価値を見つける。その積み重ねによって、25坪という数字は、ただの面積ではなくなります。

住まいとは、広さを所有するものではありません。暮らしの価値を、どこに、どう宿すかを設計するものです。同じ25坪でも、設計次第で、豊かさは何倍にも変わります。一畳の配置が変われば、動きが変わる。動きが変われば、時間の流れが変わる。時間の流れが変われば、暮らしの記憶が変わる。

設計は、面積を整えるだけではなく、暮らしそのものの価値を変えます。small styleは、面積を小さくする家づくりではありません。設計の力で、25坪を、25坪以上の豊かさへ変える住まいです。住まいの豊かさは、足し算では生まれません。何を残し、何を磨き上げるか。その選択の積み重ねが、暮らしを美しく整えていくのです。

面積を広げる設計もあれば、価値を広げる設計もあります。small styleが目指しているのは、後者です。25坪は、30坪を超えられる。設計には、数字を超える力があります。暮らしの価値は、その一畳から生まれます。