石川淳建築家と small style その1
2026.06.16
私は石川淳建築家を身近で見てきました。だからこそ、建築家として紹介することには少し照れくささもあります。一方で、住宅の相談に来られる方から「どんな建築家なのですか?」と聞かれることもあり、身近な立場だからこそ伝えられることがあるようにも思います。
石川の仕事を見ていて感じるのは、とにかく「普通」を大切にしていることです。建築家というと、奇抜なデザインや強い個性を想像されるかもしれません。しかし石川自身は、その住まいが自然に街の風景に溶け込むこと。そして目立つことよりも、住む人が心地よく暮らせることを優先しているように見えます。
打ち合わせでも、まず住まい手の話をよく聞きます。どんな暮らしをしたいのか。休日をどう過ごすのか。何を大切にしているのか。家そのものの話よりも、暮らしの話をしている時間の方が長いこともあります。そのためか、完成した住宅には共通した雰囲気がありながらも、どれひとつとして同じ家がありません。
石川の住宅を見ていると、「派手さ」よりも「心地よさ」を大切にしていることが伝わってきます。光の入り方。窓から見える空。家の中を移動したときの視線の抜け方。家族の距離感。そうした目に見えにくい部分に、多くの時間を費やしているようです。
また、必要以上に大きな家を勧めないことも特徴のひとつだと思います。もちろん広い家が悪いわけではありません。けれど、本当に必要な広さを一緒に考え、無理のない予算の中でできるだけ豊かな空間をつくろうとします。それは単なるコストダウンではなく、「暮らしにとって本当に大切なものは何か」という考え方から来ているように感じます。
身内だからこそ分かることがあります。それは石川が住宅を作品としてだけでなく、人が長い時間を過ごす場所として真剣に考えていることです。完成写真が最も美しい瞬間ではなく、10年後、20年後も愛着を持って暮らしてもらえることを大切にしている。流行を追いかけるよりも、長く好きでいられるデザインを目指している。
そんな姿勢は、昔から変わっていません。私が共感しているのも、そうした建築への向き合い方です。家を大きくすることではなく、暮らしを豊かにすること。見せるための住宅ではなく、住み続けたくなる住宅をつくること。 small styleの住宅には、石川の考え方が静かに息づいているように感じます。
small styleは定額制という仕組みを採用していますが、それは単に価格を分かりやすくするためだけではありません。限られた予算の中で、本当に大切なものにしっかり価値をかけてほしいと考えているからです。そして限られた予算の中でも石川淳の世界観を感じて欲しい。small styleにはそんな思いが込められています。
石川淳が大切にしている「暮らしにとって本当に必要なものを見極める」という考え方。私たちが目指しているのは、大きな家でも高価な家でもなく、その人らしく心地よく暮らせる家です。石川淳が手がけるSmall Style もまた、無理なく豊かに暮らせる住まいであり、そんな住まいを届けていきたいと願っています。